8808用のRS-232C切り替え器を作りました

 高調波やフリッカの測定で、複数の8808を使って測定する場合、1台目の測定器はソフトによる自動設定ができましたが、2台目以降は手動で設定する必要がありました。
 これは、ノートパソコンのシリアル通信(RS-232C)ポートが1口しかないため、接続できないのが原因でした。

 RS-232Cインターフェースにはシリアル通信用の信号データのほかに、接続等を確認するための電圧(入)出力が2種類用意されています。(RTXとDTR)
この出力はソフトにより電圧極性を反転させることができ、LED(発光ダイオード)の点灯に必要な電流程度(数mA)を得ることができます。
 このことを利用してフォトMOSリレーを動作させ、RS-232C信号を最大4台まで切り替えて使う装置を作りました。

P1000199.JPG (199630 バイト)P1000201.JPG (332881 バイト)P1000202.JPG (294113 バイト)

この切り替え器の基板はVisioで作成しました。レイアをうまく使うことで表示と印刷を変えています。ファイルはこちら

フォトMOSリレー:発光ダイオードとフォトダイオード、MOSFETを組み合わせた素子で、発光ダイオードの光をフォトダイオードで受けて電圧に変え、MOSFETを起動させる。入力側(LED)と出力側(FET)は光で接続されているために、電気的に絶縁されており、数千ボルトの耐圧を持ち、LEDの点灯電流(1mA)程度で、数百mA程度の負荷をコントロールできる。

今回使用したフォトMOSリレーは4本足のものがTLP227G、6本足のものがTLP595Aです。4本足のものは交流が通せるものであることを除けば、ほとんどのフォトMOSリレーが使えます。6本足のものを利用したのは配線スペースを確保する目的であり、5番ピンは切断して、そのスペースにパターンを通しています。

MOSFET:非接触形の電界効果トランジスタで、電圧だけで電流を制御します。

これらについて詳しく知りたい方は:宮崎技術研究所 『電気と電子のお話』がお勧め